今日も、統合が失調している。

過食嘔吐をやめたい…私の克服体験記


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こんにちは、咲です。
このページを開いているということは、きっと摂食障害で悩んでいる方か、悩んでいる方のご家族だろうな…と思いながら、今、この記事を書いています。
今回は、過食嘔吐に悩む方へ向けて、私が過食嘔吐をやめられたお話をしていこうと思います。

 

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私も過食嘔吐で悩んでいました。


私が摂食障害を発症したのは、18歳の時。
その当時お付き合いしていた男性から「少し痩せて欲しいんだけど…」と言われてダイエットを始めたのがきっかけでした。

 

最初は、少し食事制限をしながらウォーキングするという至って普通のダイエット法でした。
しかし、スルスルと落ちていく体重が快感になり、次第にご飯を全く食べられなくなっていったのです。
この時、母に精神科へ連れていかれ、初めて診断されたのは拒食症でした。
拒食症の期間は長かったのですが、拒食の間はダイエットハイになっていて、精神的に病んだりすることはありませんでした。


※ダイエットハイ(ダイエッターズハイ)とは、ダイエットによって気分が高揚し、空腹感を感じにくくなったりトレーニングの疲れを感じにくくなったりすることです。


ある時心配した妹が買ってきてくれたシュークリームを、「一口だけなら…」と口にしました。
その瞬間、「こんなに美味しいものを食べられずに私は死んでいくのか!」と気持ちが爆発し、そのまま冷蔵庫の中や茶箪笥のお菓子を漁ってとにかく食べ続けたのです。
食べている間は何も考えられませんでした。
とにかく食べなければ、口に詰め込まなければ、そんな衝動に駆られていました。
家中の食べ物を食べ尽くすと、今度は吐き気で苦しむことになります。
そこで、私は閃きました。
「吐けばチャラになるんじゃない?」
と…。
これをきっかけにその後、拒食症ではなくなったものの、過食嘔吐に何年も悩まされ続けました。

 

私の過食嘔吐が治ったきっかけ

最初の気づき

私の過食嘔吐は何年も続きました。
歯は虫歯だらけでボロボロになり、吐いても痩せることはなく、どんどん太っていきました。
過食嘔吐なんてもうやめたい!」
毎日本気でそう思っているのに、止めることが出来ずに一人で苦しみ続け、
「何故私は過食嘔吐を止められないのか」
ということを考えるようになったのです。

日々の自問自答の中で浮かび上がったのは、周囲の人間(特に母親)への反発心でした。
私が当時よく言われたことを書いてみますね。

 

  • 「痩せたいと思うことは悪である」
  • 「自分が食べたくて沢山食べているくせに、痩せたいからと吐くのは甘えである」
  • 「吐きたくなくても吐いてしまうというのは嘘。摂食障害はただの甘えである」
  • 「あなたよりも辛い思いをしている人は沢山いるのだから頑張りなさい」
  • 「本当はあなたは病気ではない。心の病気なんてない。気の持ちようである」

 

言い方は様々だとは思いますが、似たような事を言われた経験がある人もいることでしょう。
こうした言葉に反発する度に、私は過食をしては吐いていました。
憎しみの感情に満ち溢れていたし、悲しかった。
「他の誰でもない!」
「私自身が!!」
「苦しんでいるのに…!!」
そんな気持ちで一杯でした。

私自身を苦しめているものの正体

自分の中の母親への反発心に気づいてからも、暫くは怒りや悲しみに任せて過食嘔吐を繰り返す日々は続きました。


ある日のことです。
吐き疲れた体とぼんやりした頭で、「もう吐くのをやめたい…どうして止められないの…?」と自分に聞きました。
すると、何故か急に「分かった」のです。
母親や親戚、知人…皆が私に言ってくることが、私自身を苦しめているのだと。
それならば、私自身が私を肯定してあげることから始めればいいんじゃないか、と。

 

それは私にとっては大切な気づきでした。
私は直ぐに、周囲の人々から言われることをノートに書き出し、反論を隣のページに書いていきました。

 

私を苦しめるものへ、初めての反論

私は初めて、母親や周囲の人々へ(ノートにではありますが)反論しました。
こんな風にです。

 

「痩せたいと思うことは悪である」

 痩せたいと思うことは「悪」ではありません。
太っていることは今の日本ではあまりよく思われないこともあります。
摂食障害ではない人だって、ちょっと太ったなと思ったら自然と痩せようとするでしょう。
痩せたい、痩せようと思うのは自然な気持ちです!
私は今、痩せることに拘り過ぎているだけ。
それだけです。

 

「自分が食べたくて沢山食べているくせに、痩せたいからと吐くのは甘えである」

決して食べたくて食べている訳じゃありません。
毎日毎日、「もう過食嘔吐なんてやめたい!」って思っています。
歯もボロボロ、肌はガサガサでニキビだらけ。

ただ痩せて可愛くなりたかっただけなのに、誰が好き好んで過食嘔吐すると思うの?

 

「吐きたくなくても吐いてしまうというのは嘘。摂食障害はただの甘えである」

 摂食障害になったこともないのに、どうして嘘だと分かるの?
吐くのはとても苦しいし疲れます。
どうしても吐かなければいけないという強迫観念が私を押しつぶそうとするんです。
私がどんな気持ちか分からないでしょう?
たとえ家族でも、私がどんなことにどんな風に悩み、苦しんでいるかなんて分からないはず。
私は食べたくて菓子パンを食べてるわけじゃないし、吐きたくて吐いてるわけじゃないんです。

 

「あなたよりも辛い思いをしている人は沢山いるのだから頑張りなさい」

ご飯を食べられずに亡くなっていく人達もいる?
私よりも大変な、辛い思いをしている人もいる?
私の苦しみと、他の誰かの苦しみは、決して比べるものではない。
苦しみに、軽い苦しみも重い苦しみもないんです。
それに、誰の方が大変だ、こっちの方が辛いんだ、なんて誰が決められるのでしょうか。
そして、私は頑張っていないと、そう思っているということなのでしょうか。
私は苦しんでいるし、頑張っている。
それは確かな事なんです。

 

「本当はあなたは病気ではない。心の病気なんてない。気の持ちようである」

私が心の病だと恥ずかしいんですか?
だからそんな風に言うのですか?
気の持ちようで治るなら、何故「もう過食したくない、吐きたくない」と思ってもやめられずに私が辛い思いをするんでしょうか。
私は摂食障害という病気だし、治療が必要なんです。

 

 

反論で得られたもの、そして回復

こうして毎日言われて嫌な思いをしたことをノートに書き、それに反論していきました。
暫くノートで反論を続けていくと、自分の中で整理できずにいた気持ちにも向き合うことが出来るようにもなりました。
また、自分に向き合っていく中で、過食嘔吐等の摂食障害の症状は、私にとっては心のバランスをとるためのものだったんだと気づきました。
「それまでの私にとって過食嘔吐は必要な事だったんだ」と分かった時には、心からホッとしたのを覚えています。
それと同時に、心の安定を求めて過食嘔吐することで、体も心もさらに不安定になっていっている事も理解することが出来ました。
「もしかしたら、もう過食嘔吐は必要なくなるのかもしれない。」
そんな思いが自然と心に浮かび、それから段々と過食嘔吐の回数が減っていったのでした。

 

過食嘔吐を克服して感じた、大切な事。

ここまで私の体験をもとにお話ししてきましたが、誰もが同じことをすれば治るのか?と言われると、正直言ってそれは分からないのです。
摂食障害は心の病気なので、体の傷を治すのとは違って治療のアプローチも様々だからです。
しかし、摂食障害というのはストレスが引き金になっていることが殆どです。
どんな治療法を選ぶとしても、この摂食障害を克服する為には
「自分のストレスの原因を見つけ、向き合うこと」
が大切なのではないかと思います。



自分が過食するのはどんな時なのか、思い返してみること。
どんな場面で、どんなことを感じたのがきっかけで、過食(嘔吐)したのか。

例えば、
「初対面の人との食事会で」
「打ち解けられなくて」
「変に誤解されたように思って」
帰宅してから過食嘔吐した、とか。

色々なパターンがあると思います。
あるいは、私のように家族や親戚から言われることがストレスで過食嘔吐してしまうとか。

 

一度自分のストレスの原因に気がつけば、そのストレスへの対処法を考えることができますし、ストレスに対処が出来るようになると、過食(嘔吐)のトリガーをひく回数も自然と減るのではないかと思います。

 

最後に

今回お話しさせていただいたことは、あくまでも私の過食嘔吐克服体験に基づいたものになります。
今、過食嘔吐や非嘔吐過食、また拒食症などで悩み苦しんでいる方の心が、少しでも和らげばと思いながら書かせていただきました。
しかし、摂食障害に関わらず、やはり病気の治療は精神科や心療内科、またはセラピーで受けるのが基本と思っております。
勿論私自身も精神科に通院していました。
こちらの記事は参考程度と考えていただけると幸いです。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

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 対人関係療法の第一人者である精神科医水島広子先生の著作。

薬物療法だけでは改善が見られない方、一度読んでみてはいかがでしょうか。

拒食症・過食症を対人関係療法で治す